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帝王学

投稿日時:2010/10/08(金) 20:25rss

僕が今の会社に戻ってきたのが平成9年の10月10日で
もうすぐ13年になります

早いものですが、その中で一番大変だったのが、
それまでの6年間、カナダ系の銀行員をやっていて
エリートサラリーマンナイズされた僕が、
毎日、コテコテの大阪商人の父親の鞄持ちをしながら帝王学を学び
大阪の中小企業経営者、それもゴミ屋の経営者になるまで日々・・・


リズムが違う、スピードが違う、人が違う、常識が違う・・・

外資系銀行に勤め、仕事では自信があった僕でしたが
クラッシックのオペラ音楽と盆踊りくらい違和感たっぷりで毎日がくたくたになり、
それまでの仕事は歯車の一つに過ぎないことを思い知らされました

そして歯車を動かす側にまわることになる僕に
普段あまり注意をしない父でしたが一つだけ注意を僕にしました

それは
「現場に入りこむな!」
という事でした

確かにその時の僕は現場に入りこみ、現場が忙しくなると
父の鞄持ちよりそちらを優先していました
現場が大切だと思いこんでいて、経営や営業は遊びだと思っていました

僕は小さい頃から現場はしていましたので慣れていますし、
息子という事もあり、素直でよく働き使い勝手がいいので
現場責任者からも重宝がられていました

僕自身も現場をやると、毎日やった感があるし、社員と繋がれるし・・・
いい事づくめです

一歩現場を離れて父と同行すると、社員と距離はでき悪口は言われるし
遠くから見る事が本当に苦しく不安満載でした

「自分も現場したい」と毎日苦悩の日々でしたが
でも、あまり注意をしない父親がそれまでいうのには理由があるのだろう
と思っていうことを聞きました

そして何年か経ち気づいたこと
それは当時、「僕は責任から逃げていた」という事でした

現場も大変ですが、経営はもっと大変ということが最近しみじみと感じます

船長がコックピットにおらず、一緒に船を漕いでいたら・・・

誰が進行方向を決めて、先を見たり、外の海や船全体の状態を把握するのか?
誰が急な危険を察知できるのか?
船員のモチベーションを考えるのは誰か?
もっといえば船員の生活は?
毎日作業に追われていたらそれができるのか?

今13年を振り返って
まずお客さんの心をつかむこと(父親の言葉でいうと「心安い関係づくり」)

そして作業は人を信頼して囚われず、全体、長期を見る、根本を見る
そんなリーダーとしての考え方や行動を父親から教えてもらいました

そして社長の一番の仕事は「責任」

もちろん
小さい頃から食卓ではいつも「商売とは」を子守唄や念仏のように聞かされていた事を付け加えておきます

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昭和29年創業 平成7年法人化

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  • :いよりなみ[03/10]
  • 新しい気づき
    • 当たり前のことに感謝すること 樋下さん、こんにちは...

  • :いよりなみ[12/31]
  • 今年最後です
    • 今年も1年ありがとうございました...

  • :寺田 元[12/25]
  • 父逝く
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  • :日本実業出版社・吉田[12/25]
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